愛媛オリジナル品種「紅まどんな」は文字通り紅い果皮と、ほかの柑橘には無い食感が特徴の柑橘です。ゼリーのように滑らかな果肉には、甘味と酸味のバランスの良い果汁がたっぷりと詰まっています。
(※取材時は10月中旬で、果皮に黄色が強いですが、収穫期の11月中旬には紅く色づきます)
「愛媛果試第28号」という品種の柑橘の中で、外観・糖度・酸度などJA全農えひめが定める品質基準をクリアし、
愛媛県内のJAを通じて出荷した品質の確かなものだけが「紅まどんな」の名称を使用できます。
愛媛県の「紅まどんな」出荷量約3,000トンのうち、約7割を生産するJAえひめ中央では、
上記の基準以外にも農家と選果場で4重のチェックを受けて出荷されています。
農家さんが収穫した畑で外観を見て選別
JAの選果場に出荷されたものを、
ベテランのパートさんが目視により選別
光センサーを通して糖度・酸度・外観・大きさが「紅まどんな」の基準値を満たしているか測定
箱詰めの際にさらに傷みなどがないかの
目視による選別
美味しい柑橘を栽培するための条件=一年を通して「温暖な気候」で雨が少なく晴れの日が多いこと、水はけのよい園地(土壌)が多いこと、災害も少ないことなど柑橘栽培に向いた条件がそろっています。
また、ビニールハウス内で紅まどんなを育てているので、近年の異常気象にも対応できています。
それだけではなく、愛媛では古くから柑橘を育ててきた歴史があり、栽培技術が確立・受け継がれていることはもちろん、
周りの柑橘農家や、JAの指導員さんから的確な指示・アドバイスをいただけます。ひとりでやっているのではなく、産地全体でおいしい柑橘を育てようという思いがあります。
11月中下旬から12月中下旬まで約1か月の収穫作業はもちろん大変ですが、それ以外の11ヶ月の間おいしい「紅まどんな」を栽培するための管理が大変重要です。
特に紅まどんなの特徴でもある紅色を出すためには、夏場に40℃以上にもなるハウス内で行う枝吊り作業が欠かせません。
まだ紅まどんなが青い夏の時期に、ビニールハウスの上の方の支柱と、紅まどんなが実っている枝1本1本を作手作業で結び、支柱に結んだワイヤーで枝が吊るされているような状態にします。
こうすることで果実の重みで枝が折れてダメになってしまうことを防げますし、枝が上を向くので果実によくお日様があたり鮮やかな紅色の発色となると同時に品質(糖度)も高められます。
※取材時期の10月中旬は、紅まどんなの発色について、まだ黄色が強いですが、11月末の出荷時期には鮮やかな紅色の発色になります。
JAえひめ中央 麻生支部ではほとんどがビニールハウス内で紅まどんなを栽培しています。
屋根のない露地の環境で果実が雨にあたってしまうと、クラッキングによる果皮障害(ヘタ周りなどが黒ずんだりする果皮障害)が発生することがあります。果皮が薄くデリケートな紅まどんなは、ほかの果実に比べてこの果皮障害が発生しやすい品種です。
そのような繊細な果実を守るために、ハウスの建設、維持にもコストや労力をかけてビニールハウス内で育てています。
おいしい柑橘は虫にとってもおいしいもので、アザミウマという虫が果実についてしまいますが、そうすると、果実の表面が白く傷がついてしまいます。果肉に対しての実害はほとんどありませんが、贈答用の需要が大きい紅まどんなは外観品質も求められるので、防除に対しては普通の柑橘よりも気を使います。
被害が出た後では遅いので、防除については、JAの指導員さんの指導・アドバイスを受けながら早め早めの対策・管理に取り組んでいます。
色づき・玉太りも順調で、美味しい柑橘に仕上がっています。
期待してください。
12月に出荷される紅まどんなは、お歳暮商品として人気を集めています。
買っていただいた多くのお客様から『自分で食べてもおいしかったが、お歳暮で人に贈送ったところ喜ばれた』という声を多くいただいています。
私を含めて生産者全員、「美味しい紅まどんなをより多くの方にお届けしよう」と非常にやる気・励みになっています。みんなの目が輝いています。
厳しい品質基準をクリアしたものだけが名乗れる「紅まどんな」というブランド名は、「たしかな品質の証」であり、
私たちの貴重な財産でもあります。購入いただいている皆様の信頼を裏切ることがないよう、
そしてこれからも今まで以上に良い品質の紅まどんなを作り続けて、食べていただく皆さんに喜んでいただけるように、
JA指導員、生産者など産地全体がまとまって切磋琢磨していきます。
紅まどんなは皮が薄いので、手で剥くのが少し難しいです。
包丁やフルーツナイフなどでカットして召し上がってください。
できれば届いてすぐ食べてほしいですが、
保存する場合は涼しい場所で冷やしすぎないことがオススメです。