【環境保全米ササニシキ】

宮城の北部に位置する登米市は約1万ヘクタールにも及ぶ広大な水田が広がる県内有数の穀倉地帯であり、400年前の伊達藩の時代には「千石米」として船で北上川を下り太平洋を経て江戸に運ばれました。

西に奥羽山脈を有し東に太平洋を望む山と海の中間に位置しており、伊豆沼・内沼・蕪栗沼などのラムサール条約登録湿地には数多くの渡り鳥が飛来してきます。
冬になると田んぼに水を張りハクチョウ・マガン・ヒシクイなどが羽を休め餌を啄ばむ光景が間近で見られます。
また、春の田んぼにはドジョウ・メダカ・オタマジャクシ・ヤゴなどの様々な生き物がひしめき合っています。

東北地方でも屈指の和牛の産地である登米市では、そこから出来る堆肥をしっかり田んぼに施し、また稲ワラを牛に与える循環型農業が確立しています。
また、雄大な奥羽山脈から流れる雪解け水が山の豊富なミネラルを運び、水田を豊かに潤します。
稔りの秋は、奥羽山脈と北上山地に囲まれ、日中あたたかく夜間には涼しい日格差の大きい気候が、品質の良いおいしいお米を育てます。

JAみやぎ登米では、そのような自然環境を活かして、環境保全米に取り組んでいます。
化学肥料や化学農薬を減らし、作る人や食べる人そしてそれら全ての環境に配慮したお米づくりが環境保全米であり、自然の豊かさ・命を育む多様な生き物との「共生」を目指し、自然の生き物も「農の恵み」として受け止め、様々な知恵や技術を以って自然の育み、生物多様性を高める活動に取り組んでいます。

その中で作られる「環境保全米ササニシキ」は、さらりと口の中でほどける穏やかな味わいに、またひと口と自然に箸が進む美味さです。
素材の風味や味付けを引き立てる名脇役として、特に和食との相性は抜群でシャリに求める寿司店が多いのも事実。
しかし、病気や倒伏に弱く、その栽培の難しさから栽培規模が激減し今では「幻のお米」になっています。

今年は、近年に無い夏の暑さや数々の台風など、お米にとっては非常に厳しい気候ではありました。そんな天候を跳ね返し、立派に育ったJAみやぎ登米産「環境保全米ササニシキ」ぜひご賞味ください。